
公益社団法人 愛知建築士会 蒲郡支部は、創立50周年を迎えることができました。
蒲郡市民をはじめ多くの方々に感謝申し上げます。
記念事業の題材に選んだ「蒲郡市民体育館」は、耐震強度不足のため解体される運命にありながら、なぜかよみがえった不死身の建築物です。さらに、近代建築の記録や保存に取り組む世界的建築学術組織DOCOMOMO(ドコモモ)から名誉ある「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されるおまけつき。これしかないと思いました。

調べていくうちに設計施工者である元石本建築事務所所員・新築現場常駐者もご健在であることが分かりました。シンプルな建物の形状であるが高度な施工技術、そして高額の施工費が必要であった思われます。講演の中でエーロ・サーリネンのダレス国際空港をヒントに設計がはじめられたときいて納得しました。昔は裕福だったといわれる蒲郡市の財政のなす技であったと推測されます。

市民参加事業として、スポーツ少年団等からの写真3550枚を使ってモザイク状の体育館を作成しました。バレーする少女たちと除幕式を行い、体育館のエントランスホールに展示していただきました。

コロナ禍の中、実行委員会が開催できず、そして関係者への情報収取に時間がかかり開催日が10月から12月、2月そして3月と延期となりました。しかしそのおかげで、より良い講演会が開催できたかと思います。

講演会終了後は、講演者、聴講者、そして、支部会員と多くの方たちと一緒に体育館をバックに写真を撮ることができました。感謝申し上げます。これを機に、ドローン映像を含めDVDを作成し、皆様に配布することで事業の集大成としたく思います。
以上、解体されることなく耐震改修された蒲郡市民体育館が、次世代へと続く「ひとづくり館」 としての使命を全うし続けることを祈念します。
令和4年4月
公益社団法人 愛知建築士会 蒲郡支部
支部長 市川貞也